【サイフォンの使い方】初心者でも失敗しない手順やコツ・注意点を解説

本格的なコーヒーの抽出を楽しめるサイフォンですが、複雑で使いにくいイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。基本的な手順を押さえれば、初心者でもサイフォンでコーヒーを淹れられるようになります。本記事では、サイフォンの使い方の手順やコツ、注意点を解説します。
サイフォンとは

喫茶店などで見かけることはあっても、サイフォンがどのような道具か知らない人もいるでしょう。具体的な使い方を解説する前に、まずはサイフォンがどのような道具なのかを紹介します。
蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する器具
サイフォンとは、蒸気圧によって押し上げられたお湯を使い、コーヒーを抽出する器具です。沸騰によってフラスコ内の蒸気圧が高まり、お湯が押し上げられて上部のロートに移動します。そこでコーヒー粉がお湯に浸され、コーヒー液が抽出される仕組みです。
サイフォンは熱源によって「アルコールランプ式」「電気式」「ガスバーナー式」の3種類があり、それぞれ使い方が少しずつ異なります。アルコールランプ式が定番ですが、火を使わない電気式だと火災のリスクを抑えられるので、より初心者向けといえるでしょう。
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アルコールランプ式 |
アルコールランプを熱源とするタイプ。 お湯が沸騰し、コーヒーが抽出されていく過程を楽しめるのが魅力。 |
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電気式 |
電気を熱源とするタイプ。 お湯の沸騰が早く、短時間でコーヒーを抽出できる。 |
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ガスバーナー式 |
ガスバーナーやカセットコンロを熱源とするタイプ。 火力の調節がしやすく、風の影響を受けにくいのでキャンプなどでも人気。 |
サイフォン式とドリップ式の違い
コーヒーの一般的な淹れ方としてドリップ式もありますが、サイフォン式とは抽出の仕組みが大きく異なります。サイフォンは、蒸気圧で上がってきたお湯にコーヒー粉を浸けて抽出する「浸漬法」です。一方、ドリップ式は、コーヒー粉を入れたペーパーフィルターの上からお湯を注ぎ、重力によって抽出する「透過法」です。
また、サイフォン式とドリップ式ではコーヒーの風味も異なります。サイフォン式で淹れたコーヒーは、クリアでまろやかな風味に仕上がります。香りも立ちやすく、コーヒーの香りを楽しみたいときにも適しています。対してドリップ式はコクと甘さ、酸味のバランスがとれた風味を楽しめるので、品種ごとの個性を堪能したいときにおすすめです。
サイフォンのメリット・デメリット

液体や気体の性質を使ってコーヒーを淹れるサイフォンには、ドリップ式とは異なるメリット・デメリットがあります。ここからは、サイフォンのメリット・デメリットを解説します。
サイフォンのメリット
サイフォンの最大のメリットは、手順や抽出時間を守ることで、比較的安定した味のコーヒーを淹れやすい点です。
器具自体が複雑なため、初心者には難しそうに見えるかもしれません。しかし、お湯の温度や注ぎ方で味が変わりやすいハンドドリップに比べ、サイフォンは時間と分量を守れば味が安定しやすく、実はコーヒー初心者にも扱いやすい器具です。作業には科学の実験のような面白さがあり、淹れたコーヒーだけでなく抽出の過程も楽しめます。
サイフォン式のメリット
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ドリップ式よりも味のブレが少ない
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高温のお湯で抽出することで、豆に含まれる香りが出やすい
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コーヒーを抽出する工程も楽しめる
サイフォンのデメリット
サイフォン式の主なデメリットは、器具の扱いや置き場所に困りやすい点です。特にガラス製のモデルは割れやすく、使用中や手入れ中にうっかり割ってしまうことも少なくありません。また、バーナーやフラスコなどの器具を使うため、ハンドドリップ式に比べて本体サイズが大きくなる傾向があります。
さらに、加熱によって上下するお湯にコーヒー粉を浸して抽出する仕組み上、抽出に時間がかかりやすいのもデメリットといえるでしょう。
サイフォン式のデメリット
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パーツが壊れやすく、破損すれば買い替える必要がある
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本体サイズが大きく、置き場所に困りやすい
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コーヒーの抽出に時間がかかりやすい
サイフォンの基本的な使い方・手順

一見難しそうに見えるサイフォンですが、基本的な手順を理解しておけば、初心者でもおいしいコーヒーを淹れられます。ここからは、サイフォンの基本的な使い方を手順に沿って解説します。
①必要な道具を揃える
サイフォンを使い始める前に、必要な道具を準備しましょう。それぞれの役割を理解しておくと、コーヒーをスムーズに淹れられます。
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ロート |
コーヒーの粉とお湯を混ぜて抽出するために必要な道具。 サイフォンの上部に取り付けて使う。 |
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フラスコ |
コーヒーの抽出に必要なお湯を沸かすために必要な道具。 サイフォンの下部に設置して使う。 |
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熱源となるもの |
ガスバーナーやアルコールランプなどを指す。 サイフォンを加熱するために必要な道具。 |
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フィルター |
コーヒーの粉と液を分離させるために必要。 フランネル生地が使われている「ネルフィルター」を使うのが一般的。 |
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濾過器 |
フィルターを取り付けて、コーヒーを濾過するための道具。 |
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竹べら |
コーヒーの粉とお湯を撹拌するために必要な道具。 |
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タイマー |
抽出時間を正確に計るために必要な道具。 1分間を正確に計れるものを用意することが大切。 |
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メジャースプーン |
コーヒーの粉を計量するためのスプーン。 目盛りが付いているものを選ぶと計量しやすいです。 |
②濾過器・ロートをセッティングする
道具の準備ができたら、濾過器とロートをセッティングしましょう。濾過器にはネルフィルターを取り付けますが、使い始めのフィルターには製造時の汚れや糊が付着しているので、流水でよく洗い、水を切ってからセットしてください。
また、ネルフィルターに付いている紐はしっかり引っ張って濾過器に固定してください。紐が緩いままだと、お湯を沸騰させた際の蒸気が抜けてしまうため注意しましょう。フィルターを付けた濾過器は、ロートの中心になるようにセットします。
濾過器・ロートのセッティング手順
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ネルフィルターを毛羽立っている面を下にして、濾過器にセットする。
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ネルフィルターに付いている紐を引っ張り、蝶々結びで濾過器へ固定する
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紐の結び目をフィルターの内部へ入れ込む。
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濾過器から垂れたチェーンを下にして、ロートの中へ下す
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チェーン先端のフックをロートの先へ掛け、濾過器を固定する。
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竹べらで濾過器の位置を調整する。
③フラスコでお湯を沸かし、ロートに軽く固定する
濾過器のセッティングができたら、次にお湯を沸かします。フラスコに水を入れ、アルコールランプなどの熱源の上に乗せて加熱しましょう。その際、フラスコの外側に水滴が付いている場合は必ず十分に拭き取ってから加熱してください。
お湯が沸くまでは、ロートをフラスコへ完全に差し込まず、縁に寄りかからせるように軽く固定します。水の量は多すぎると沸騰の際にお湯がうまく上がらないので、多くてもフラスコの半分より少し上までにして量を調節してください。
④挽いたコーヒーを入れてフラスコに差し込む
チェーンを伝って泡が上がってきたら、お湯が沸騰したサインです。メジャースプーンで計量したコーヒーの粉をロートへ入れ、ロートをフラスコへ完全に差し込んでください。
いきなり差し込むとお湯が噴き出すことがあるので、スタンドが倒れないように支えながらゆっくりロートを差し込みましょう。
⑤竹べらで撹拌する
ロートを取り付けたら、フラスコ内のお湯がロート側へ上がってきます。このときコーヒーの粉も表面へ上がってくるので、竹べらで粉を湿らせるようにしながら沈めてください。
タイマーを1分にセットし、竹べらを前後に動かしながら、粉と合わさったお湯を撹拌しましょう。撹拌することでコーヒーの粉に含まれているガスが抜け、コーヒー粉とお湯がなじみやすくなります。
⑥弱火にして浸漬させる
1分間撹拌したら、熱源を弱火にして15秒ほど置き、コーヒーを浸漬させます。ロートの内部が泡とコーヒー粉、コーヒー液の3層になっていれば、うまく撹拌できたサインです。
⑦火を消して再度撹拌する
コーヒーの浸漬ができたら火を消し、竹べらで渦を作るようにかき混ぜながら撹拌しましょう。2回目の撹拌には濾過をスムーズにし、雑味が出るのを防ぐ効果があります。
⑧コーヒーが完全に落ちたらカップへ注ぐ
ロート内のコーヒーがフラスコへ完全に落ちきったら、コーヒーの完成です。ロートをスタンドから外して、カップへ注いでください。濾過器の表面に泡が残っている状態であれば、上手に抽出ができたサインです。
サイフォンでコーヒーを淹れるときの注意点

簡単な準備と手順で本格的なコーヒーを楽しめるサイフォンですが、初心者がつまずきやすいポイントもあります。ここからは、サイフォンでコーヒーを淹れるときの注意点を解説します。
使用前にフラスコをきれいに洗っておく
フラスコに汚れが付着していると、抽出したコーヒーの風味に影響するため、使用前にはきれいに洗っておきましょう。フラスコはガラス製なので、傷つけないように洗ってください。
すすいだ後のフラスコは十分に乾燥させ、水滴は布巾などで拭き取りましょう。フラスコの外側に水滴が付いたままコーヒーの抽出作業をすると、温度差によって割れる危険性があるため注意してください。
ある程度熱が冷めてからお手入れをする
使った後のサイフォンは高温になっており、使用直後にすぐ冷水で洗うと温度差によって破損する危険性があります。サイフォンは少し置いて熱が冷めてから、お手入れを行いましょう。
フラスコとロートは中性洗剤で洗いますが、濾過器にセットしたネルフィルターは洗剤を使わずに流水だけで洗ってください。
使用後のネルフィルターは乾燥させない
他の器具と一緒にネルフィルターも自然乾燥させてしまうのは、初心者にありがちなミスです。サイフォンで使うネルフィルターは、洗った後に乾燥させず、きれいな水に浸して冷蔵庫で保管しましょう。
乾燥させてしまうと、フィルターの繊維に残ったコーヒーの油分が酸化し、次にコーヒーを淹れた際に風味が悪くなってしまいます。雑菌が増えるのを防ぐためにも、水は毎日交換してください。
サイフォンでおいしいコーヒーを淹れるコツ

サイフォンは正しい手順で使えば、安定した風味のコーヒーを淹れられます。さらに、いくつかのコツをおさえることで、豆の香りや風味をより引き立てられます。ここからは、サイフォンでおいしいコーヒーを淹れるコツを解説します。
コーヒー豆は中煎り・中挽きがおすすめ
サイフォンで抽出するコーヒー豆は、ハイローストやシティローストなどの中煎りで、中挽き程度のものを選ぶのがコツです。蒸気圧を利用するため高温で抽出されやすく、豆の苦みが出やすい傾向があります。そのため、深煎りの豆を使うと苦みが強く出過ぎてしまい、焦げたような風味になります。
また、エスプレッソやターキッシュコーヒーに使われるような極細挽きの豆は、フィルターが目詰まりして雑味が出やすくなるためサイフォンには向きません。
浸漬時間は長くても1分程度にする
浸漬はサイフォンならではの工程ですが、抽出時間が短すぎると薄味になり、長すぎると雑味や渋みが出やすくなります。そのため、抽出時間は長くても1分以内になるようにしましょう。
撹拌では力を入れすぎない
撹拌の工程では、力を込めて混ぜないようにするのもコツです。撹拌の際に力を入れすぎると、コーヒー粉に余計な圧力がかかり雑味の出る原因になります。
コーヒー粉をお湯の中でほぐすイメージで、十字に切るように竹べらを動かすことで、より粉とお湯をしっかり馴染ませられます。
手軽にサイフォン式コーヒーが楽しめる。HARIOの「Electric Coffee Syphon」の魅力

見た目は複雑に見えますが、サイフォンの使い方自体はそれほど難しくありません。しかし、アルコールランプなどの熱源が必要なうえ、ネルフィルターの管理も手間がかかるため、ハードルが高く感じる人もいるでしょう。
「もっと手軽にサイフォン式コーヒーを楽しみたい」という人におすすめなのが、HARIOの「Electric Coffee Syphon」です。
本商品は火を使わない電気式のサイフォンで、本体下部のダイヤルで火力を調節できます。初心者でも扱いやすく、抽出作業もスムーズに行えます。淹れ方は従来のサイフォンと同じですが、濾過器にはネルフィルターではなくペーパーフィルターを採用しているので、フィルターを管理する手間もかかりません。
設置スペースはA4サイズとコンパクトで、保管場所に困らないのもポイントです。プロのサイフォニストが淹れたような、豊かな味わいのコーヒーを自宅でも手軽に楽しめるでしょう。スペアパーツも用意されているので、万が一破損してもパーツを取り換えれば長く愛用できます。
HARIO「Electric Coffee Syphon」の商品ページ
サイフォンの使い方をマスターして、おいしいコーヒーを楽しもう!

淹れたコーヒーの風味はもちろん、お湯が沸騰し、コーヒーが少しずつ出来上がっていく過程そのものもサイフォンならではの魅力です。本記事で紹介した使い方を参考に、ぜひ喫茶店のような本格コーヒーを自宅で楽しんでみてください。
